その背に乗って
駆け抜けた
恥ずかしがり屋のあなたとの日々は
いくつもの腕に抱かれることに慣れた私の胸に
清々しい風を呼んだ
まだ幼い頬にそっと触れて
柔らかな髪にくちづけて
抱いてあげましょう
汚れてしまえばいい
汚れないでいて
二つの心にゆらりゆれて
求めるのはわたしばかりの空回り
離れても想い続けられる証が欲しいの
あなたに乗って風になって
どこまでもいきたいわ
その加速度に
心と体が裂かれてしまいそうなの
あなたはどこまでも美しい風
指の間からすり抜けて
私をひとり
おいていくのね
連れていってほしかった
いつまでもあなたの背中を
抱きしめて
風になって
海と坂の街へ